Vol.13 ロング・ヒット中:Che'Nelleもカヴァー!"心を動かす"ラヴ・ソング、♪ラヴィン・ユー♪

'11年7月の発売以来、CD/配信ともに大ヒットを続けるChe'Nelle(シェネル)のカヴァーAL『Luv Songs』…お聴きになった方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?

全篇、聴き心地のよいスムーズなサウンドに、シェネルの爽やかかつ艶のあるボーカルが乗った作品になっています。

このアルバムでシェネルは、MISIAの『Everything』など名だたる邦楽曲とともに、洋楽曲もカヴァーしています。 その中の一曲が、『ラヴィン・ユー~Lovin' You~』。

今回のメール・マガジン『心を動かす音楽を』は、この曲『ラヴィン・ユー』、そして、作者でありオリジナルを歌ったアーティストでもあるミニー・リパートンにフォーカスしてお届けいたします。

"天使の歌声"…マライア・キャリーのキャッチ・フレーズとしてよく使われているこの言葉、元々は、マライア同様5オクターブを超える声域の使い手であり、なおかつ"ホイッスル・レジスター"と呼ばれる、人間が出し得る最も高い音域に届くシンガー…そう、ミニー・リパートンの代名詞といえるものでした。

"天使の歌声"…マライア・キャリーのキャッチ・フレーズとしてよく使われているこの言葉、元々は、マライア同様5オクターブを超える声域の使い手であり、なおかつ"ホイッスル・レジスター"と呼ばれる、人間が出し得る最も高い音域に届くシンガー…そう、ミニー・リパートンの代名詞といえるものでした。

そのミニー・リパートン、'47年シカゴに生まれ幼いころから歌やダンスを習得、ティーン・エージャー時分には、ザ・ジェムスというガールズ・グループのメンバーとして地元シカゴで活躍、平行して、ブラック・ミュージックのみならずアメリカ・ポピュラー音楽の生成において重要な役割を果たした伝説的なブルース/R&Bレーベル:チェス・レコードでオフィスの受付嬢(!)を務めながら、そのヴォーカリストとしての才能を認められ、エタ・ジェイムスやボ・ディドリー、そしてチャック・ベリーなどのバック・コーラスを務めるようになります。

'67年には、折からのフラワー/ヒッピー・ムーブメントのさなか、それまでブルース/R&Bに偏重したレーベルの多角化を目指したマーシャル・チェス(チェス・レコード創設者レナード・チェスの息子)の肝いりで結成されたロータリー・コネクションというサイケデリック・ソウル・バンドのリード・ヴォーカルに抜擢され、シーンに登場します。

ロータリー・コネクションは4年に渡る活動期間中6枚のアルバムを残し'71年に解散、前後して同年、ミニーはソロ・アーティストとして、ギター:フィル・アップチャーチ/ドラムス:モーリス・ホワイト、そして、ミニーの歌声に魅せられたラムゼイ・ルイス(ピアノ)、同じくプロデューサーのチャールズ・ステファニー(E,W & Fのプロデュースで有名)ら、錚々たる制作陣を従えレコーディングされた"名盤"の誉れ高きアルバム「Come To My Garden」でデビュー、そして'74年、メジャー・レーベル:エピックに移籍し、その第1弾アルバム「パーフェクト・エンジェル~Perfect Angel~」をリリースします。

この「パーフェクト・エンジェル」、プロデュースはなんとスティーヴィー・ワンダー。
スティーヴィーがミニーを称したその言葉(=パーフェクト・エンジェル)が、アルバム・タイトルになったと云われています。

このアルバムに収録され、'75年に全米No.1を獲得、ミニーを一躍トップ・スターにのし上げた代表曲:「ラヴィン・ユー」は、元々ミニーが当時赤ちゃんだった娘さんをあやす際に歌っていたメロディーがそのベースになったとのこと。

冒頭のSE=小鳥のさえずりからして、"はじまり"感を湛えた清々しさ、爽やかさ、そして童心に通じるピュアさが溢れたこの曲、この後'79年に31歳という若さで夭折したミニーが遺した、完璧な天使(=パーフェクト・エンジェル)による天使(=赤ちゃん)のための一曲と云えましょう。

当時モータウン所属、レーベルの束縛が強く、他レーベル作品への参加は厳禁とされていたにもかかわらず、変名を施してまで参加を申し出たスティーヴィーをはじめ、前出のラムゼイ・ルイスやマーシャル・チェス、チャールズ・ステファニーなどなど、その短いキャリアにおいてミニーほど多くの関係者に愛されたアーティストも稀…。

スティーヴィーをはじめ彼らがミニーへ捧げた愛は、ミニーが、彼女の歌声が彼らの心を動かしたからでしょう!

「ラヴィン・ユー」は、シェネルのほか、平井堅やMISIA(ライヴで)などが、そして、シングル・カットもされ大ヒットしたジャネット・ケイがスムーズ・レゲエ・バージョンで、カヴァーしています。

リリース情報


Che'Nelle「Luv Songs」(TOCP-71091)

MISIA「Everything」、久保田利伸「Missing」、鈴木雅之「ガラス越しに消えた夏」、いきものがかり「SAKURA」、Ne-Yo「So Sick」、Minnie Riperton「Lovin' You」、Whitney Houston「Saving All My Love For You」…新世代のR B歌姫:シェネルが洋邦の名曲をカヴァー、極上の聴き心地さでロング・ヒット中!

 

Minnie Riperton「Perfect Angel」
(CDSOL-7409)

「Lovin' You」収録、スティーヴィー・ワンダーが変名にてプロデュースした名盤を紙ジャケで!

尚、YouTubeのEMIオフィシャル・チャンネルにて、Che'Nelle「Luv Songs」収録楽曲PV(ショートr.)がアップされています。(「Everything」のPV)
併せてご覧くださいませ。