Vol.25 『テイク・ファイヴ』のデイヴ・ブルーベック、逝去

1950~60年代、所謂”ウエスト・コースト・ジャズ”の代表的ピアニストとして人気のあったデイヴ・ブルーベックが、米コネチカット州で亡くなりました。91歳でした。
 
ロックン・ロールやポップスが主流になっていた1950~60年代のアメリカ音楽シーンにおいて、変拍子を使ったヒップなスタイルと、盟友:ポール・デスモンドの奏でるクールなアルト・サックスがフィーチャーされたサウンドは “カレッジ・ジャズ”と呼ばれ当時の若者に大受け、衰退気味のジャズ・シーンを見事復活させました。 
 
デイヴ・ブルーベックは1920年12月6日カリフォルニア州コンコード生まれ、クラッシック・ピアニストであった母親の影響からか、4歳にしてピアノを弾きはじめました。
 
従軍していた第二次大戦中には、兵士仲間と”ウルフパック”というバンドを編成し、ヨーロッパ戦線を慰問する程人気を博します。
 
のちにポール・デスモンドと運命的な巡り会いを果たし、’51年にはポールを加えた編成でデイヴ・ブルーベック・クァルテットを結成、全盛期をむかえます。
 
彼の音楽の一番の特徴は「テイク・ファイヴ」に代表される変拍子ジャズ。
 “1-2-3-1-2”とカウントするリズムで大人気を博したこの曲は、’61年アメリカで25位のヒットとなりました。
 
クァルテットの代表的なアルバムは、やはりこの「テイク・ファイヴ」が収められた『タイム・アウト』(‘59年録音)。
9分の8拍子から4分4拍子に変わっていく、アルバム1曲目の「トルコ風ブルーロンド」も人気がありました。
 
当時の日本の学生ジャズ・バンドがこぞってこの変拍子を真似たのも懐かしいです。
 
また、革新的なスタイルでかつてないスイング感を生み出したこのアルバムの代表曲『テイク・ファイヴ』は、80年代にアリナミンVのCMソングとして使われたことでも有名です。
 
ジャズを、その先のステージまで進化させたデイヴ・ブルーベック。
 
合掌です。
 

リリース情報

☆ザ・デイヴ・ブルーベック・カルテット『タイム・アウト』(SRCS-9631) 

『テイク・ファイヴ』収録!ジャズ・シーンのみならず、音楽シーンに革新をもたらした名盤!