Vol.33 『テイク・ファイヴ』と『霧のサンフランシスコ』が流行った"時代"が聴けるアルバム!『ホワイト・ハウス・セッションズ:ライヴ1962』

1962年8月28日、ポピュラー・シンガーのトニー・ベネットとウエスト・コースト・ジャズのデイヴ・ブルーベックという、ジャンルを異にするアーティストがワシントンDCの同じステージに立ちました。
 
「ホワイト・ハウス・セミナー~アメリカン・ジャズ・コンサート」と銘打たれたこのライヴ、ケネディー大統領が、夏休みの間ワシントンに働きに来ていた学生の為に企画したもので、ホワイト・ハウス敷地内にあるシルヴァン・センターで行われました。
 
“歌は世につれ、世は歌につれ”と云いますが、この頃のアメリカはどんな時代だったのでしょう?
 
‘61年1月、アイゼンハワーに代わって第35代大統領となったケネディーはベトナム戦争を続行しながらも心中では撤退を模索していました。
 
‘62年5月、45歳になったケネディーに「ハッピー・バースデイ・トゥ・ユー」を贈ったマリリン・モンローがその年8月に他界。
 
また、この頃からキューバ情勢が緊迫、10月には米ソ間の緊張が核戦争一歩手前にまで達したキューバ危機がおとずれます。ケネディーとフルシチョフの努力でキューバ危機は乗り越えたもののタカ派の反感を買い、さらに翌63年8月ワシントン大行進を終えたキング牧師に「私も夢を見ている」と語ったケネディーは、11月ダラスで凶弾に倒れます。ちなみに駐日大使就任が噂される娘のキャロライン・ケネディーが6歳になる5日前の出来事でした。
 
そんな時代に行われたライヴ、出演者としてこの2人が選ばれた理由はもちろん「霧のサンフランシスコ」のヒット、そして「テイク・ファイヴ」でジャズ・コンボNo.1となった人気に拠るところが大きいのですが、2人とも第2次大戦に従軍、さらに当時公民権運動に参加していたというキャリアが、リベラルなケネディーの眼鏡にかなったとも言えるでしょう。
 
それから50年経ち、トニー・ベネットは一連のデュエット・アルバムの成功で一般にも知られるようになり、「テイク・ファイヴ」はJUJUのカヴァーで日本の若い人も知るところになりました。
 
残念ながらブルーベックは昨年12月91歳で亡くなってしまいましたが、今年87歳になったトニーはますます健在、この9月、13年ぶりの来日が実現します。
 
ジャンルを超えた2大スターの共演、こんなバックグランドを踏まえながらお聴き戴くとまた違った趣きがあるかも…ぜひお聴きください!
 

リリース情報

○トニー・ベネット&デイヴ・ブルーベック『ザ・ホワイトハウス・セッションズ:ライヴ1962』
(SICP-3842 / 2013.06.26リリース/¥2,520(税込))
 
ポピュラー(トニー)、ジャズ(デイヴ)の2大巨匠が1度だけ共演した史上に残る貴重なライヴ音源!
『テイク・ファイヴ』『霧のサンフランシスコ』をはじめとする互いの代表曲を共演!
 

○トニー・ベネット『トニー・ザ・ベスト』(SICP-30019 / 2013.08.28リリース /¥2,800(税込))
 
第12回東京JAZZで奇跡の来日決定!9/7(土)国際フォーラムでの一夜限りの日本公演に合わせてリリースされた来日記念最新ベスト盤!2011年チャートNo.1を獲得したデュエット・アルバム収録曲も満載!
 
☆    ライヴ情報
 
○第12回東京JAZZ
 
【the HALL】平成24年9月7日(土)~8日(日)東京国際フォーラム ホールA(東京都千代田区丸の内3-5-1)
 
出演アーティスト トニー・ベネットほか豪華アーティスト
 
入場料金 
【the HALL】SS席:9,500円  S席:8,500円 A席:6,500円 SS席1日通し券:18,000円(全席指定・税込み)
 
チケット販売窓口 イープラス、ローソンチケット ほか
《 イベントに関するお問合せ 》ハローダイヤル 03-5777-8600(8:00~22:00)
 
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