Vol.37 絶妙な選曲!音楽が活躍する、この秋話題のCMをご紹介!

秋の訪れとともにCM シーンも衣替え…季節の移ろいと連動して様々な新しいCMが始まりました。
中でも、いわゆる“CMソング”が印象的な作品をご紹介します。

 

最初にご紹介するのは、9月からOAがスタートしたソフトバンクモバイル株式会社の秋バージョン企業CM。

 

ソフトバンクさんのCMといえば真っ先に思い浮かべるのが白戸家をテーマにした一連のコミカルなシリーズ、という方が多いと思いますが、今回メイン･キャラクターに据えられたのは、意外や意外(？)、吉永小百合さん。

 

白戸家をフィーチャーしたジェットコースター的な内容とは一転、吉永さんが醸し出す上品で落ち着いた雰囲気と、その柔らかな立ち居振舞いは、今回のCMのメイン･テーマと目される高齢者に向けたスマートフォン利用の促進という点において、十二分な効果をもたらすことでしょう。

 

さて、このCM、吉永さんのキャスティングと併せて、なんとも“絶妙”と感じさせてくれるのがその楽曲起用。

起用された楽曲は、ジャニス･イアンの『17才の頃』。

 

ジャニス･イアンの歌声とその曲調が醸し出す“たおやか”とも表せる雰囲気は、吉永さんのそれとも絶妙にマッチし、このCMを上品な数十秒の映像作品として完成させています。

まさに全てがスイングしたCMの妙味ともいえましょう。

 

言わずもがな、ですが、ジャニス･イアンは50年近いキャリアを誇るアメリカのシンガー･ソング･ライターで、日本では昭和51/2年に放送されたいずれもTBS系テレビドラマ【グッバイ･ママ】と【岸辺のアルバム】の主題歌『恋は盲目～Love Is Blind～』そして『Will You Dance?～ウイル･ユー･ダンス？～』の大ヒットで有名。

キャリア50年にも及ぼうかという現在でもコンサート等精力的に活動を続け、最近ではアンジェラ･アキさんとの交流が話題になりました。

そんなジャニスが作り、歌った『17才の頃～At Seventeen～』。

‘75年にリリースされ全米No.1(キャッシュボックスで。ビルボードではNo.3)を獲得したこの曲は、ボサノヴァ･スタイルの美しいメロディーに乗せてジャニス自身の経験を基に作られたとされる、いわゆる“夢見る”ハイティーンとは真逆ともいえるリアリスティックな私小説的歌詞が印象的。

この曲でジャニスは’75年のグラミー賞(ベスト女性ポップ･ヴォーカル･パフォーマンス)にも輝き、また、この曲を収録したアルバム『愛の回想録～Between The Lines～』も全米1位を獲得しています。

リリースから約40年を経て再び注目を浴びたこの曲、秋の夜長に聴くにも趣き深いかと…是非一度フル･ヴァージョンでお聴きください。

 

 

さて、次にご紹介するのは、これまた9月にスタートしたTOYOTAさんのハイブリッド･カー: AQUAの新CM。

 

世界遺産に登録されて間もない富士山の麓を最新スペックのクルマが疾走するAQUAの新CM…そのバックに流れる音楽はPerfumeの人気曲『チョコレイト･ディスコ』の流麗なピアノ･カヴァー。

 

“演奏しているのは誰？？？” CMスタート時から、web上などでそんな声をよく耳にしますが、カヴァーしているアーティストは誰あろう “まらしぃ”。

 

 “まらしぃ”とは…ニコニコ動画の「弾いてみた」やYouTubeなどの動画サイトをメインに活躍しているピアニストで、人気のバロメーターとなる再生回数はトータル5,000万回強、“その世界”では超のつくVIPピアニストです。

普段はボーカロイド･ソングやアニメ･ソングなどを中心に弾いているまらしぃ、一般的に馴染みの薄い楽曲では顕著に感じ得なかったそのピアノ･スキル/アレンジ･テクニックを、【チョコレイト･ディスコ】のような知名度の高い楽曲を露出頻度が極めて高いCMで存分に披露した事により、動画サイトの存在さえ知らない層にまで広くその存在とピアノ･テクニックを知らしめました。

“日本のハイブリッド”をキャッチ･コピーとするこのCM、“富士山”という太古から変わらぬ日本の絶対的な価値と、ハイブリッドな “まらしぃ”という世に出て間もない新しい価値とを融合させ、そのキャッチ･コピーを見事に具現化した作品といえましょう。

 

以上、ご紹介した2作品の他にも、これまたTOYOTAさんの企業CMで堺雅人さんらが出演するTOYOTOWNのCMで流れているアンドレ･ギャニオンの『めぐり逢い』などなど…印象深い/話題になるCM作品では、起用された楽曲、そして抜擢されたアーティストが、いずれも、CMの内容、ひいては商品のイメージにぴったりマッチし、脇役以上の役割を果たしています。

 

映像と音楽とが見事にカップリングしたCMは観ていてとても気持ちのよいものですよね。

そんなCMの誕生に今後も期待しましょう！

 

※　ジャニス･イアン【BEST SELECTION】(￥1,500)
『17才の頃』のソフトバンクモバイル社CM起用をきっかけに急遽リリースされたデジタル限定ベスト盤！
もちろん『17才の頃』『ウイル･ユー･ダンス？』『恋は盲目』など大ヒット曲を収録！ iTunesでのお買い求めはこちらから→
https://itunes.apple.com/jp/album/janis-ian-best-selection/id710440438 

※　ジャニス･イアン【愛の回想録～Between The Lines～】
(SICP－30078, 2013/3/6リリース、Blu-Spec CD、￥1,890)  ‘75年リリース通算7枚目にして初の全米No.1に輝いた記念すべきアルバム。『17才の頃』、タイトル･トラック『愛の回想録』(オリジナルに加え、’03年のライヴ･バージョンも)などを収録！

※ ジャニス･イアン【愛の余韻～Aftertones～】
(SICP－30079, 2013/3/6リリース、Blu-Spec CD、￥1,890) ‘76年リリース、日本のオリコン･チャートで堂々1位に輝いた大ヒット･アルバム。『恋は盲目』(オリジナルに加え、’03年のライヴ･バージョンも)などを収録！

※ まらしぃ【空想メモライズ】(DGSA-10078、2013/8/28リリース、￥2,300) 初音ミク、鏡音リンをフィーチャーしたまらしぃ初のボーカロイド･アルバム！

※ H-ZETT M×紅い流星×事務員G×まらしぃ【4D-PIANO ANIME Theater!】(DPCA-1009、2013/6/19リリース、￥2,000)
まらしぃを始めとする4人のピアニストが、有名アニソンをピアノ･カヴァー。超絶セッションは必聴！

※アンドレ･ギャニオン【ザ･ベスト･オブ･アンドレ･ギャニオン】
(VICP 75107-8、2013/6/19リリース、￥3,675) 『めぐり逢い』『明日』などヒット曲満載の最新ベスト盤！

※アンドレ･ギャニオン【インプレッションズ】(VICP-75106、2013/6/19リリース、￥2,940)発売から30年経て、今なお売れ続ける、『めぐり逢い』から始まるアンドレ･ギャニオン代表作！ 

【ご紹介したCM映像はこちらから↓】○ ソフトバンクモバイルさん→http://www.softbank.jp/mobile/tvcm_media/cm/
○ TOYOTAさん→ http://toyota.jp/movie/index.html?ptopid=men#id=538690848002