Vol.51 この夏お奨め、ネットで話題の"大人の洋楽"

ビルボード誌によれば、昨今の音楽ファンが最も注目している新人紹介媒体にインターネットが選ばれるなど、音楽プロモーション・ツールとして従来以上にインターネットの重要性が叫ばれています。
そうした背景から、インターネット発の新人が続々と飛び出てくる昨今の洋楽シーンですが、この夏は、どっこい大人向けの作品も話題になっています。
エリック・クラプトンがJ.J.ケイルに、ドクター・ジョンがサッチモことルイ・アームストロングにトリビュートした作品、そしてあのレディ・ガガが再びトニー・ベネットとコラボしたアルバムなど話題作ぞろい。

今回はクラプトンが尊敬していたJ.J.ケイルへのトリビュート・アルバム『ザ・ブリーズ』をご紹介しましょう。
クラプトンの音楽的ルーツと言いますと、ロバート・ジョンソン、B.B.キングを思い浮かべますが、もう一人彼がリスペクトして止まなかったミュージシャンが"静かなるブルースマン"の異名を持つオクラホマはタルサ出身のJ.J.ケイル、その人です。
ケイルは'60年代半ばレオン・ラッセルの誘いでL.A.に移り「アフター・ミッドナイト」を録音、レオンの友人であったデラニー&ボニーの薦めでこの曲を聴いたクラプトンは大いに感動し、彼の初ソロ・アルバムに収録したのです。
ケイルのブルースはB.B.の饒舌なブルース・ギターとは異なり、カントリーやフォークを母体とした土臭いものですが、エリックはその地味な音楽性に惹かれたといいます。
その後エリックは、'77年、ケイルの「コカイン」をカバー、'06年には共演アルバム『ザ・ロード・トゥ・エスコンディード』制作しました。
このアルバムは'13年の7月この世を去ってしまったケイルの偉業を称えるべく、同じくケイルをリスペクトするエリックの仲間達(ジョン・メイヤー、トム・ペティー、ウィリー・ネルソン他)と制作されたもの。
より多くの人にケイルを知ってもらいたいというエリックの意向で、"カバー"というより"オリジナルを忠実に再現した"アルバムに仕上がっています。
 
 

リリース情報

☆エリック・クラプトン&フレンズ『ザ・ブリーズ~J.J.ケイルに捧ぐ』
 (UICP-1162、\2,500+税)、絶賛発売中!