Vol.8 エイミー・ワインハウス、27歳の若さで逝去...
イギリス出身の女性アーティスト(シンガーソングライター):エイミー・ワインハウスが7月23日に27歳で亡くなりました。 死因はドラッグの過剰摂取とみられています。
”21世紀のビリー・ホリディ””クイーン・オブ・ヴィンテージ・ソウル”と称され、ヴォーカリスト/表現者として類い稀な才能を発揮したエイミー、その一方で、”激女”の異名通り、数々の逮捕歴や、問題発言、そして大ヒット・シングルのタイトル(リハーブ=リハビリ)にもなった、ドラッグ/アルコールへの依存が強く、リハビリ施設への入退所を繰り返すなど、スキャンダルに満ちたキャリアを歩み、去る23日に27歳という若さでこの世を去りました。
エイミーなら、数々のスキャンダルをアーティストとしてのクリエイティヴィティーの糧にしてくれるだろう、というファンの想い虚しく、哀しい最期となってしまいました。
2003年にアルバム「フランク」でデビューし、イギリスでブレイク、2007年リリースした2ndAL「バック・トゥ・ブラック」でアメリカでもブレイク、その年のグラミーで5部門を受賞し世界的な大スターとなったエイミーですが、その後、大スターの宿命…パパラッチに追い回されるなど心因的なストレスが強まったこと…などにより、それまで以上にドラッグへの依存が強まりキャリアは停滞、今年2011年になってクインシー・ジョーンズのトリビュート・アルバムや、トニー・ベネットのアルバムへの参加を機に4年ぶりにシーンへ復帰、完全復活を期してヨーロッパ・ツアーをスタート(6月)させますが、セルビアで行われたコンサートで酩酊状態のままステージへ、まったく歌えずで、その後のツアーは全てキャンセルとなり復帰プランは白紙に。。。その矢先の訃報でした。
アーティストとして実働約5年と短期間ながら、リリースした2枚のアルバムはいずれも名盤と評され、'50~'60年代のサウンド(”ヴィンテージ・ソウル”のキャッチ・フレーズも!)への回帰へシーンを誘い、フォロワーも数多く生んだエイミー・ワインハウス、その20代前半にして既に貫禄を湛えた超個性的な独特のヴォーカルを体験したすべてのリスナーは彼女の声に心を動かし、いっときは時代のアイコンとされたその激女然とした存在を目の当たりした多くのファンはエイミーに魅了されました。
そう、女性アーティスト/27歳の死といえば、あのジャニス・ジョプリンも同じく27歳で死去しています。
しかもエイミー同様オーバードーズ(ドラッグ過剰摂取)が死因、そして、短期間の実働にしてその後のシーンに多大な影響を及ぼした、という点にも共通点が見出せます。
ちなみに、'90年代ではニルヴァーナのカート・コバーン、古くはジミ・ヘンドリックスやジム・モリソン(ドアーズ)、ブライアン・ジョーンズ(ストーンズ)などが同じく27歳で夭折しています。
ジャニス、ジミ・ヘンなど、若くして逝った前述のアーティストがそうであったように、21世紀初頭の音楽シーンにおいて、レディー・ガガが表舞台にあがるまでの数年間は、名実共にエイミー・ワインハウスの時代、そして時代を体現するアーティストがエイミー・ワインハウスだった、といっても過言ではないでしょう。
冥福を祈りつつ、エイミーの遺した作品に触れてみてはいかがでしょう?
きっと心を動かされることでしょう。。。
リリース情報
AL「フランク~デラックス・エディション」(UICI-1073、¥2,800)
1stアルバムに、シングル・カップリング曲”ラウンド・ミッドナイト”のカヴァーやデモ音源を多数収録した2枚組。
AL「バック・トゥ・ブラック~デラックス・エディション」(UICI-1066、¥\2,800)!
全米大ブレイク、グラミーで猛威を振るい、21世紀の大傑作と称されたエイミーの2ndアルバム。