Vol.21 "トリック・オア・トリート??"ハロウィーン特集

今回のThe Seasoning of Songsは、いまどきの子供たちには大変ポピュラーなイベントになっているハロウィーンに関する楽曲を特集いたします。
ちょっと前までは日本ではほとんど馴染みが無かったこのハロウィーンというイベント、若年層を中心にいまではイベントとしてすっかり溶け込んだようで、幼稚園や保育園などでもかなり盛んにおこなわれているようです。
また、子供達に限らず最近は有名テーマ・パークでも季節のイベントとして大々的に宣伝されているので若い人にも人気があるようです。
ハロウィーンは、ここ日本では仮装パーティーといったイメージでとらえられがちですが、もともとはケルト人の信仰から生まれたもので、本来は日本でいうお盆みたいな習わし。10月31日になると亡くなった人の霊が戻ってきて生きている人に乗り移るというと伝説があったため、霊に乗り移られないようにお化けや怪物の格好をしたという、そんな要素がもとで仮装パーティーのイメージにつながっていったようです。
ハロウィーンの本場:アメリカではこの時期になると、ラジオ局がイベントを煽るようにお化けや魔女やモンスターに関する曲をガンガンにプレイします。
そんな楽曲のなかから代表的なものを幾つかピックアップ、今回のThe Seasoning of Songsとしてご紹介致します。

 


「アイ・プット・ア・スペル・オン・ユー」/ブライアン・フェリー

最初にご紹介するのは、オリジナルのスクリーミン・ジェイ・ホーキンス以外にもこのブライアン・フェリーやC.C.R.、マンフレッド・マン、マリリン・マンソン、ニーナ・シモン他のバージョンでも有名な「アイ・プット・ア・スペル・オン・ユー」です。「魔法をかける、魅了する」という意味を持つタイトルから、この曲はハロウィーンのテーマ・ソングとも言えるくらい毎年この時期になると本場アメリカで各ラジオ局のヘヴィー・ローテーション・リストに入ります。

☆ブライアン・フェリー「アイ・プット・ア・スペル・オン・ユー」は、「More Than This (The Best Of Bryan Ferry & Roxy Music)」(輸入盤)に収録されています。
 


「イーヴィル・ウーマン」「ストレンジ・マジック」(不思議な魔術)/エレクトリック・ライト・オーケストラ

続いては「魔女」「魔術」に関する楽曲をご紹介します。
’75年全米トップ10ヒットとなった「イーヴィル・ウーマン」、そして’76年に全米14位のヒットとなった「ストレンジ・マジック」(不思議な魔術)、いずれもE.L.Oの楽曲です。
タイトルからご推察戴けるように、E.L.O.のこれらの楽曲もハロウィーン時期、大量にラジオ・テレビでエアプレイされます。

☆エレクトリック・ライト・オーケストラ(E.L.O.)「イーヴィル・ウーマン」「ストレンジ・マジック」(不思議な魔術)は、「ザ・ヴェリー・ベスト・オブ・エレクトリック・ライト・オーケストラ」(MHCP-759)に収録されています。
 

フランケンシュタイン








ゴースト・バスターズ








スケアリー・モンスターズ



「フランケンシュタイン」/エドガー・ウィンター・グループ
「ゴースト・バスターズ」/レイ・パーカー・Jr
「スケアリー・モンスターズ」/デヴィッド・ボウイ

続いてはお化け・怪物など所謂モンスターものをテーマにした楽曲、’73年の全米No.1ヒット:エドガー・ウインターで「フランケンシュタイン」、’84年のこれまた全米No.1ヒットで映画も大ヒットしたレイ・パーカー・Jrの「ゴースト・バスターズ」、そして’80年にリリースした同名アルバムからデヴィッド・ボウイで「スケアリー・モンスターズ」をご紹介します。

さて、ハロウィーンは10月31日が当日なのですが、本場では9月後半からさまざまなプレ・イベントがおこなわれているようです。モンスターなどに仮装した子供たちが近所を”Trick or Treat"と言ってお菓子をねだってまわるというのも有名ですね。この風習は昔”ソウル・ケーキ”といわれたぶどうパンを人に与えることが、亡くなった人への供養になるというというところから来たようです。
また、“Trick Or Treat”と並んでハロウィーンの認知度の高い習わしに「かぼちゃのちょうちん」があります。ジャック・オー・ランタンと呼称されるこの「かぼちゃのちょうちん」、その由来は、昔アイルランドにジャックという悪い男がいて、飲み代欲しさに、なんと悪魔をだましたために天国にも地獄にも行けずカブの中に火を入れたちょうちんをもってあの世とこの世を彷徨ったという伝説がその元だそうです。このヨーロッパの風習がアメリカに渡り、ランタン(提灯)を作るのに手頃なかぼちゃにその材料が変わっていきました。

☆エドガー・ウィンター・グループ「フランケンシュタイン」は、「ベスト・オブ・エドガー・ウィンター」(MHCP-142)に収録されています。
☆レイ・パーカー・Jr「ゴースト・バスターズ」は、「ベスト・オブ・レイ・パーカー・Jr」(BVCM-37028)に収録されています。
☆デヴィッド・ボウイ「スケアリー・モンスターズ」は、「ザ・プラチナム・コレクション」(TOCP-67835)に収録されています。
 


 


ヴードゥー・ウーマン



ウイッチ・クイーン・オブ・ニュー・オリンズ




「ヴードゥー・ウーマン」/ボビー・ゴールズボロウ
「ウイッチ・クイーン・オブ・ニュー・オリンズ」/レッドボーン

次はブードゥー教をテーマにした楽曲で、’65年全米第2位の大ヒットとなったボビー・ゴールズボロウの「ヴードゥー・ウーマン」、そして’72年全米21位をマークしたレッドボーンの「ウイッチ・クイーン・オブ・ニュー・オリンズ」の2曲をご紹介します。
ハロウィーンというと、なぜか「ブードゥー教」と結びつけて語られることが多いですね。「ブードゥー教」は、もともとアフリカから奴隷として連れて来られた黒人達の精霊信仰で、お化けやゾンビが出てきて云々という代物ではありませんでした。しかし、怪奇小説や恐怖映画でその部分だけ妙に誇張され、「ブードゥー=お化け・ゾンビ」といった間違ったイメージが根付いてしまったようです。
そのイメージがもとで、いつからかハロウィーンとブードゥー教はリンクしたようです。

☆ボビー・ゴールズボロウ「ヴードゥー・ウーマン」は、「The Best Of Bobby Goldsboro」(輸入盤)に収録されています。
☆レッドボーン「ウイッチ・クイーン・オブ・ニュー・オリンズ」は、「The Essential Redbone」(輸入盤)に収録されています。

 


「ダンシング・ウィズ・ミスター・D」/ザ・ローリング・ストーンズ

最後にご紹介する楽曲は、ザ・ローリング・ストーンズで「ダンシング・ウィズ・ミスター・D」です。
この曲、ハロウィーン時期に最もオンエアーされる曲とのことです。ハロウィーンのイメージにピッタリ合うような”墓場でおちあい、死人でお踊る・・・“という歌詞がその所以かもしれません。

☆ローリング・ストーンズ「ダンシング・ウィズ・ミスター・D」は、「山羊の頭のスープ」(VJCP-25113)に収録されています。