Vol.23 クリスマス・スペシャル "クリスマス・マラソン"Vol.1~4
It’s Time for Christmas! 今回のThe Seasoning Of Songsは、超有名クリスマス・ソングをすこし掘り下げてご紹介するクリスマス・ソング・マラソンをお届けします
【Vol.1】
「Have Yourself A Merry Little Christmas」
(あなたに楽しいクリスマスを)
クリスマス・マラソン初回にご紹介する1曲は、あのジュディー・ガーランドが「オズの魔法使い」に続いて主演した’44年のMGMのミュージカル映画「若草の頃」(Meet Me In St. Louis)の中でジュディーが妹役のマーガレット・オブライエンに歌ったウイシュフルなバラード曲:「Have Yourself A Merry Little Christmas」(あなたに楽しいクリスマスを)です。
映画はこの後にジュディーの夫となるヴィンセント・ミネリが監督、アーサー・フリードが制作、MGMが製作したミュージカル映画としては中堅のヒットに留まりましたが、ラルフ・ブレインとヒュー・マーティンのペンによるサウンド・トラックは、この曲の他にアカデミー主題歌賞にノミネートされた「トロリー・ソング」そして「The Boy Next Door」(隣の彼氏)といったスタンダード曲を生んでいます。
作家のブレインとマーティンは1914年生まれ、若い頃は”ザ・マーティンス”というコーラス・グループを作っていたそうです。
“楽しいこのクリスマスを祝って、心を明るくすれば、心配ごとは消えてしまう~と歌うこの美しい曲をカヴァーしたアーティストは数多いますが、バーバラ・ストライザンド、カーペンターズ、フランク・シナトラ、トニーベネットなどの歌唱が有名です。
★ジュディ・ガーランドの「Have Yourself A Merry Little Christmas」は“Over The Rainbow~The Very Best Of Judy Garland~”(輸入盤)に収録されています。
以下、その他有名なカヴァー・ヴァージョンのリスト(ジャンル別)を作成しましたのでご参照くださいませ。
- ヴィンテージ
- Bing Crosby
- Doris Day
- Andy Williams
- コンテンポラリー
- Christina Aguilera
- Barry Manilow
- R&B
- Babyface
- Toni Braxton
- Whitney Houston
- Luther Vandross
- The Four Tops
- The Jackson 5
- ロック
- Coldplay
- The Pretenders
- ジャズ
- Ella Fitzgerald
- Diana Krall
- Mel Torme
- カントリー
- Garth Brooks
- LeAnn Rimes
- Kenny Rogers
- インストゥルメンタル
- The Boston Pops/John Williams
- Kenny G
- コーラス
- Take 6
【Vol.2】
「サンタが街にやってくる」(Santa Claus Is Comin' To Town)
クリスマス・マラソン第2弾は、ヘヴン・ガレスピーとJ・フレッド・クーツ(スタンダード・ナンバー「For All We Know」の作家)によって’30年代前半につくられたファンタジー・ムード満載のクリスマス・ソング「サンタが街にやってくる」(Santa Claus Is Comin' To Town)です。
いわずと知れたこの曲は、’34年にジョージ・ホール・オーケストラ(ソニー・シュイラー:歌)盤の大ヒットによりしたと言われていますが、実は’32年ごろにすでに完成していたものの、この楽曲を管理する音楽出版社でなぜかお蔵入り。そんな状況を嘆いた作家のクーツが当時ラジオ・ショウで人気者であったヴォードビル・コメディアン:エディー・キャンター夫妻に紹介したところ、エディーよりも奥さんのアイダに気に入られ、彼女のプッシュにより’34年の感謝祭の番組で使用され、大ヒット。なんと400万部以上の楽譜が売り切れたと言われています。レコードでのヒットはビング・クロスビーとアンドリュース・シスターズ競演盤(デッカ)、パティー・ペイジ(マーキュリー)、ロック・バージョンではクリスタルズが有名(フィル・スペクターのアルバム「クリスマス・フォー・ユー」のハイライト・ソングになっています)ですね。
★クリスタルズの「Santa Claus Is Comin' To Town」は“A Christmas Gift For You From Phil Spector”(輸入盤)に収録されています。
以下、その他有名なカヴァー・ヴァージョンのリスト(ジャンル別)を作成しましたのでご参照くださいませ。
- ヴィンテージ
- Fred Astaire
- Tony Bennett
- Perry Como
- Ella Fitzgerald
- Peggy Lee
- Frank Sinatra
- Andy Williams
- The Beach Boys
- The Carpenters
- コンテンポラリー
- Mariah Carey
- Harry Connick Jr.
- Hilary Duff
- Diana Krall
- Barry Manilow
- R&B
- All-4-One
- Gladys Knight & The Pips
- The Platters
- The Whispers
- The Jackson 5
- The Miracles
- The Supremes
- The Temptations
- ロック
- The Blues Magoos
- ジャズ
- Dave Brubeck Quartet
- Bill Evans
- Duke Pearson
- Oscar Peterson
- ビッグバンド
- Tommy Dorsey & His Orchestra
- Woody Herman & His Orchestra
- カントリー
- Alan Jackson
- Loretta Lynn
- Dolly Parton
- インストゥルメンタル
- Boston Pops/Arthur Fiedler
- Kenny G
- コーラス
- The Ray Conniff Singers
- Mitch Miller & The Gang
- The Moscow Boys Choir
- The Vienna Boys Choir (Columbia/Sony BMG)
- キッズ向け
- The California Raisins
- Snoopy
【Vol.3】
クリスマス・マラソン第3弾は、『Sleigh Ride(楽しいそりすべり)』です。
この『Sleigh Ride』、タイプライターなどの音を曲に取り入れて雰囲気を盛り上げることで有名な作曲家:ルロイ・アンダーソンの作品です。ルロイはこの曲には、疾走する馬のひずめの音と鞭の音を効果音として用い“らしい”雰囲気を出すことに成功しています。
ルロイ・アンダーソンは1908年生まれ。ニュー・イングランドとハーバードで音楽を学び、後にプロの作編曲家としてアーサー・フィードラー率いるボストン・ポップス・オーケストラに多くの楽曲を提供しています。また自らも指揮者として活躍、この曲のオリジナルは彼の指揮するポップス・コンサート・オーケストラ(Decca)で録音されています。
『Sleigh Ride』は初めインストルメンタル・オンリーのヴァージョンしかレコーディングされていませんでしたが、後に“スターダスト”の作詞家としても有名なミッシェル・パリッシュによって詞がつけられ、多くのヴォーカル・ヒット・ヴァージョンが誕生しました。
ルロイはこの他、前述したタイプライターやシンコペーテッド・クロック、ブルー・タンゴ、ピンク・プランク・プランク等の作家としても有名です。
★ビング・クロスビーの「Sleigh Ride」は“The Very Best Of Bing Crosby Christmas”(輸入盤)に収録されています。
以下、その他有名なカヴァー・ヴァージョンのリスト(ジャンル別)を作成しましたのでご参照くださいませ。
- ヴィンテージ
- Bing Crosby
- Ella Fitzgerald
- Andy Williams
- Air Supply
- The Carpenters
- Chicago
- The Ronettes
- The Ventures
- コンテンポラリー
- Spice Girls
- Barenaked Ladies
- Harry Connick Jr.
- Hilary Duff
- Diana Krall with The Clayton-Hamilton Jazz Orchestra
- The Brian Setzer Orchestra
- R&B
- Babyface
- James Brown
- Natalie Cole
- Bootsy Collins
- TLC
- ロック
- The Blues Magoos
- ジャズ
- The Ramsey Lewis Trio
- Wynton Marsalis
- Duke Pearson
- ビッグバンド
- Tex Beneke & His Orchestra
- カントリー
- Jo Dee Messina
- インストゥルメンタル
- Boston Pops/Arthur Fiedler
- Kenny G
- Herb Alpert & The Tijuana Brass
- Al Hirt
- ライト・クラシック
- Jose Carreras
- コーラス
- The Ray Conniff Singers
- キッズ向け
- The California Raisins
- The Broadway Kids
【Vol.4】
クリスマス・マラソン最終章となるVol.4はサラ・マクラクラン、ジェイムス・テイラー、イル・ディーヴォ、そしてエンヤの新アルバムから新録音のクリスマス・ソングをご紹介します。
M1:「ハッピー・クリスマス」サラ・マクラクラン
最初にご紹介するのはサラ・マクラクランが歌う「ハッピー・クリスマス」です。
1971年の発売以来世界中で愛されているジョン・レノン&ヨーコ・オノによる永遠不滅のクリスマス・ソングですが、じつはカヴァーも多く、アンディー・ウイリアムス(’90年)ニール・ダイアモンド、ジミー・バッフェット(’92年)、そしてセリーヌ・ディオンが’98年にレコーディングしています。
サラのこの曲は「ウインターソング」(BVCP-21945)に収録されています。
M2:「あなたに楽しいクリスマスを」ジェイムス・テイラー
続いてお送りする曲は、クリスマス・マラソン第1弾でもご紹介した’44年ヴィンセント・ミネリ監督MGMミュージカル映画「若草の頃」に書き下ろされた「あなたに楽しいクリスマスを(Have Yourself A Merry Little Christmas)」です。映画ではジュディー・ガーランドが歌い、カーペンターズやオリビア・ニュートン・ジョンもカヴァーしています。今回ご紹介するジェイムス・テイラーはウエスト・コースト出身のシンガー・ソング・ライターでキャロル・キングとのコラボレートでも超有名、ニュー・アルバム「James Taylor At Christmas」(輸入盤)ではこの曲をリラックスしつつ雰囲気たっぷりにカヴァーしています。このアルバムでジェイムスはクリスマス・マラソン第2弾でご紹介した「サンタが街にやってくる」もカヴァーしています。
M3:「哀しみのソレアード」イル・ディーヴォ
続いてご紹介するのは今話題のクラッシック畑のナイス・ボーイズ!、来年早々の初来日公演も決定したイル・ディーヴォによる”When A Child Is Born”邦題「哀しみのソレアード」です。この曲が収録されたアルバム「クリスマス・コレクション」(BVCM-31202)には「オーヴァー・ザ・レインボウ(虹の彼方に)」などファンタジックなナンバーが多数収録されているのと併せて、あのセリーヌ・ディオンもゲスト参加、クリスマスをオペラ・マナーで豪華に盛り上げています。
M4:「マジック・オブ・ザ・ナイト」エンヤ
クリスマス・マラソン大ラスにご紹介するのはエンヤの「マジック・オブ・ザ・ナイト」です。この曲は2005年にリリースされたヒット・アルバム『アマランタイン』に、新録音のクリスマス・ソング4曲を追加した「アマランタイン/プレミアム・ウィンター・エディション」(WPCR-12528)に収録されたエンヤ書き下ろしのクリスマス・ソングです。
以上をもちましてフジパシフィック音楽出版2006年度クリスマス・ソング・マラソンはゴール。では、Merry Christmas !