Vol.28 5月に生まれたミュージシャン

GWが終わりだいぶ暑くなってきましたね。
ということで今回のThe Seasoning of Songsは5月に生まれたミュージシャンを特集してご紹介します。
何月生まれに優秀なミュージシャンが多いか一概に断定はできませんが、5月には素晴らしい才能が以下の通り多数生まれています。
主だったところでも、2日にはジェイムス・ブラウン(1933~2007)、ビング・クロスビー(1904~77)、9日 ビリー・ジョエル(1949~)、12日にはバート・バカラック(1928~)、ギル・エヴァンス(1912~88)、13日 スティーヴィー・ワンダー(1950~)、16日エンヤ(1961~)、18日ピート・タウンゼント(ザ・フー)(1945~)、19日ジョー・コッカー(1944~)、21日にはシャルル・アズナブール(1924~)、ファッツ・ウォーラー(1904~1943)、24日ボブ・ディラン(1941~)、25日ローリン・ヒル(1975~)、26日ペギー・リー(1920~2002)、30日ベニー・グッドマン(1909~1986)といった具合です。
では、上記のアーティストから数組ピックアップし、プロフィールと併せて代表楽曲をご紹介いたします。


5/9 ビリー・ジョエル (1949~)
代表曲 ♪THE STRANGER(ストレンジャー)

1949年5月9日、ニューヨークのブロンクスに生まれ。幼い頃からクラシック・ピアノを学んだ彼は、1972年には初のソロ・アルバム『コールド・スプリング・ハーバー』をヴァーティゴ・レーベルからリリースしますが不発。73年にCBSに移籍、あの名作『ピアノ・マン』をリリース。 77年の『ストレンジャー』(初のグラミー賞受賞作品)と、78年の『ニューヨーク52番街』からは「素顔のままで」「ストレンジャー」「オネスティー」といった数多くのヒットが生まれています。

★THE STRANGERは『ビリー・ザ・ヒッツ』(MHCP-1080)に収録されています


5/12 バート・バカラック (1928~)
代表曲 ♪Raindrops Keep fallin' On My Head (雨にぬれても)

バート・バカラックは、1928年5月12日ミズーリ州カンザスシテイーに生まれました。ドイツの歌姫マレーネ・ディートリッヒのツアー・バンドの指揮者/アレンジャ-として名をあげ、 57年に作詞家のハル・デイヴィッドと知り合います。62年に黒人女性歌手のディオンヌ・ワーウィックと出会ってからは、「ウォーク・オン・バイ」(64年)「サン・ホセへの道」(68年)「恋よ、さようなら」(69年)など数々の名曲をヒット・チャートに送り込みました。 2005年には28年ぶりの新作「アット・ディスタイム」を発表、第48回グラミー賞でベスト・ポップ・インストルメンタル・アルバム部門で受賞しました。

★Raindrops Keep fallin' On My Headは『ユア・ソング~バート・バカラック・ベスト』(UICY-1378)に収録されています


5/13 スティーヴィー・ワンダー (1950~)
代表曲 ♪A Place In The Sun (太陽のあたる場所)

スティーヴィーは5月13日ミシガン州サギノーに生まれました。幼い頃から聖歌隊で歌い、10代にしてハーモニカ、ピアノを自由に操れる才能が話題となり、わずか12歳でモータウンレコードと契約、“リトル・スティーヴィー・ワンダー”の名でデビュー、「フィンガー・ティップス」で全米No.1ヒットを放ちます。後に「アップタイト」「マイ・シェリー・アモール」などを次々とヒット・チャートに送り込みました。 70年代に入るとシングル・ヒットよりアルバム制作へ重点を移し、シンセを駆使した斬新なサウンドをクリエイト、革新的なクオリティを誇る3部作『トーキング・ブック』『インナー・ヴィジョンズ』『ファースト・フィナーレ』からは、「迷信」「サンシャイン」「ハイアー・グラウンド」といったスタンダード・ナンバーが生まれています。

★A Place In The Sunは『スティーヴィー・ワンダー・ベスト・コレクション』(UICZ-1070)に収録されています


5/16 エンヤ (1961~)
代表曲 ♪ORINOCO FLOW(オリノコ・フロウ)

エンヤはアイルランドのグイドアで生まれ、18歳のときに姉と共にアイルランドのトラディショナルを演奏していたクラナドというグループに参加、後82年にソロとして独立しBBCのドキュメンタリー「幻の民 ケルト」の音楽を担当。そのとき自分の声を多重録音するといった今日のサウンドの基礎を作り上げました。
88年初のソロ・アルバム『ウォーター・マーク』をリリースし、シングル「オリノコ・フロウ」が大ヒット。以後、91年の『シェーパード・ムーン』、95年『メモリー・オブ・トゥリーズ』、00年『ア・デイ・ウィズアウト・レイン』、そして05年の『アマランタインン』と、大ヒットアルバムを発表し続けています。

★ORINOCO FLOWは『ペイント・ザ・スカイ~ベスト・オブ・エンヤ』(WPCR-1900)に収録されています


5/19 ジョー・コッカー (1944~)
代表曲 ♪THE LETTER(あの娘のレター)

1969年夏、あのウッドストックのパフォーマンスで一躍有名になり、翌70年には伝説の『マッド・ドッグス・アンド・イングリッシュメン』ツアーに参加。これはレオン・ラッセルを中心にリタ・クーリッジやデラニー&ボニー等総勢43名ものオールスター・メンバーが57日間で65のステージを行う凄まじいツアーで、同名のライブ・アルバムは今日にいたるまでロック・アルバム名盤といわれています。後、ドラッグとアルコールで身体を壊し、音楽活動から遠ざかっていましたが82年にジェニファー・ウォーンズとデュエットした、映画『愛と青春の旅立ち』の主題歌で復活。93年には「ユー・アー・ソー・ビューティフル」がヒット。

★THE LETTERは『マッド・ドッグス&イングリッシュメン<デラックス・エディション>』(UICY-7254)に収録されています


5/21 シャルル・アズナブール (1924~)
代表曲 ♪SHE(シー/忘れじのおもかげ)

映画『カサブランカ』(1956)に出演して俳優としても有名だが、本業では“シャンソンの父”と呼ばれる超大物シンガー。「僕の肩でお泣き」、「ラ・ボエーム」といった報われない愛の歌を歌っては天下一品。99年にヒットした映画『ノッティングヒルの恋人』では名曲「She」が、エルヴィス・コステロの歌で歌われ日本でも大ヒット(冒頭ではシャルルのオリジナル・バージョンが使用されています)再びシャルルも注目されました。

★SHEは『グレイテスト・ヒッツ・フォー・ジャパン』(TOCP-65925)に収録されています


5/26 ペギー・リー (1920~2002)
代表曲 ♪IS THAT ALL THEREIS?(イズ・ザット・オール・ゼア・イズ)

アメリカ・ノースダコタ州に生まれ、41年ベニー・グッドマンに認められ同楽団の専属歌手となりオーケストラ、及びコンボで活躍ました。のちソロで活動するようになり、1955年の映画『大砂塵』の主題歌「ジャニー・ギター」がヒット、ディズニー映画『ワンワン物語』に曲を提供。また女優としても51年アカデミー助演女優賞受賞。初期は黒人の歌唱方と違ったビブラートが少ない歌唱が初々しく、後期は円熟したバラードで高い評価を受けています。中でもアルバム『ブラック・コーヒー』は彼女の最高傑作だといわれています。

★IS THAT ALL THERE IS?は『Natural Woman/Is That All There Is?』(輸入盤)に収録されています


5/30 ベニー・グッドマン (1909~1986)
代表曲 ♪SING SING SING

ベニー・グッドマンは1909年5月30日シカゴで生まれました。両親が教育の為にクラッシックのクラリネットを習わせたのがきっかけで才能が芽生え10代でモーツアルトを演奏したほど。
しかし、ルイ・アームストロングやビックス・バイダーベックが演奏していたジャズに魅せられ16歳で当時メンバーをさがしていたベン・ポラック楽団に参加、そしてわずか25歳で自らのバンドを持ったのです。
黒人の持つスイング感がJazzのエッセンスだと気付いた彼は黒人をコンボのメンバーにしたり、黒人アレンジャーを自らのオーケストラに起用、斬新なサウンドを作りました。

★SING SING SINGは『ベニー・グッドマン・ベスト』に収録されています