Vol.37 桜シーズン真っ盛り!4月の歌
桜シーズン真っ盛り!“春到来”ですね
ということで、今回のThe Seasoning of Songsはこのシーズン=4月に拘ったコンセプトでセレクションした楽曲情報をお届け致します。
パット・ブーンの1957年のNo.1ヒット「4月の恋」(April Love)から、ジャズ・スタンダード「4月の想い出」 (I'll Remmber April)、バーノン・デュークとE・Y・ハーバードによる大スタンダード・ナンバー「エイプリル・イン・パリ」 (April In Paris)、バーデン・パウエルの「4月のバラ」、はたまた、ディズニーものでは映画『バンビ』に使用された「4月の雨」 (Little April Shower)…等など、4月をテーマにした楽曲は沢山あります。
それではフジパシフィック音楽出版のカタログから数曲ご紹介しましょう。
「四月の恋」-April Love-
"4月の曲"といってまず始めに思い浮かべるのがパット・ブーンのこの曲。
本人が主演した同名20世紀フォックス映画の主題歌に使われ、'57年12月全米1位に輝きました。
パット・ブーンは1934年フロリダ州ジャクソンビル生まれ。20歳のときタレント・スカウト番組でグランプリを獲得、レコード・デビューを果たしました。
'57年「砂に書いたラヴレター」が全米で7週間一位という大ヒットとなり俳優としてもデビュー、清潔なイメージで日本でも人気者になりました。ちなみに娘はデヴィー・ブーン。
コニー・フランシス、ジョニー・マティスもこの曲をカヴァーしています。
この楽曲は、パット・ブーン『四月の恋~パット・ブーン・ベスト・セレクション』(UICY-8049)に収録されています。
『春が来た』-Spring Is Here-
リチャード・ロジャースとロレンツ・ハートのコンビによる'38年のミュージカル『アイ・マリード・アン・エンジェル』のために書かれました。
エラ・フィッツジェラルド、クリス・コナー、ナット・キング・コール、フランク・シナトラらの歌唱も素晴らしいのですが、器楽曲としてもよく演奏され、特にビル・エヴァンス、ジョン・コルトレーンのものが名演とされています。
タイトルから想像すると、うきうきとしたラヴ・ソングのように思われますがが、実は「春なのに・・・・」といった内容の失恋ソングなのです。
この楽曲は、ビル・エヴァンス『ポートレイト・イン・ジャズ』(UCCO-9552)に収録されています 。
「慕情」-Love Is A Many Splendored Thing-
タイトルに4月は無いのですが、あえてこの曲をご紹介したのは、その歌詞ゆえ…
「愛とは素晴らしいもの、早春に咲く4月の薔薇のごとく生きる理由を与える自然の営み~」と歌われているからです。
ちなみにこの曲を書いたサミー・フェイン(曲)ポール・フランシス・ウェブスター(詞)は、パット・ブーンの「四月の恋」と同じ作家コンビ。
サミーは他に『ハッシャ・バイ』、『アイル・ビー・シーング・ユー』、ポールは『いそしぎ』や『ブラック・コーヒー』を書いています。
この楽曲は、フランク・シナトラ『セダクション:シナトラ、シングス・オブ・ラヴ』(WPCR-13316)に収録されています 。
「4月の協奏曲」
(Ritchie Blackmore / Jon Loard):ディープ・パープル
1968年、リッチー・ブラックモア(G)、ジョン・ロード(Key)、イアン・ペイス(Ds)、ロッド・エヴァンス(Vo)でスタートした第一期ディープ・パープル(同年「ハッシュ」が全米4位を記録するヒット)のラスト・アルバム「III」(1969年)に収められています。
このアルバムで、彼等はストリングスを多用するなど当時の新しい流れであったプログレッシヴ・ロックの要素を取り入れている。
この楽曲は「III/ディープ・パープル」(VPCK-85322) に収録されています。
「エイプリル・フールズ」- April Fools-
(Rufus Wainwright):ルーファス・ウェインライト
ケイト・マクギャリグルとラウドン・ウェインライト・世(70年代に活躍したシンガー・ソング・ライター)の間に生まれた偉才シンガー・ソング・ライター“ルーファス"が、ヴァン・ダイク・パークスも参加して話題をまいた98年のデビューアルバム「ルーファス・ウェインライト」に吹き込んだ曲。その優しさの中に繊細さをそなえた声とポップスとクラシックを融合したサウンドに感動さえ覚える。
この曲は「ルーファス・ウェインライト/ルーファス・ウェインライト」(MVCA-24010)に収録されています。
「幸せはパリで」- The April Fools -
(Burt Bacharach / Hal David)
バカラックの手にかかった映画音楽は、映画と切り離しても楽しめますね。
これはスチュアート・ローゼンバーグ監督のアメリカ映画『幸せはパリで』(原題: The April Fools、1969年公開)…中年男のジャック・レモンがパーティーで知り合ったカトリーヌ・ドヌーブとの生活を夢見てパリへ、という内容のロマンティック・コメディー…で使われた楽曲。ディオンヌ・ワーウィックのバージョンもお勧めですが、ここではバカラックのバージョンを収録した映画音楽集をご紹介致します。
「バカラック・アット・ザ・ムーヴィーズ/BJトーマス,トム・ジョーンズ,メル・トーメ,ダスティー・スプリングフィールド他」(UICY-4084)
「エイプリル・ラヴ」- April Love -
(Earl Klugh / Jr. Wilbert)
アール・クルーは、54年デトロイト生まれで幼児期にはピアノも弾いていたようですが後ギターに専任、10代からジョージ・ベンソンらと共演、後にチック・コリアと結成したリターン・トゥー・フォエヴァーで現代ジャズギタリスト最高峰としてその地位を決定づけました。この曲は1995年のアルバム「ソーダ・ファウンテン・シャッフル」(WPCR-494)に収録されています。